福男が走る「西宮神社」で初詣
兵庫県西宮神社のご祭神は「戎さま」。七福神のメンバーの一人で鯛を抱えて釣竿持ってにこやかに笑っていらっしゃるあの方ですね。関西では「えべっさん」と呼ばれ親しまれています。
西宮市甲子園に本拠地を置く阪神タイガースは、年があけるとこの西宮神社と廣田神社に必勝祈願に参拝します。
西宮市の人口がここ数年爆発的に増えたせいもあるのか、えべっさんが有名になったのか、三が日の人出はすさまじい。ということで、ここ何年か落ち着いてからの初詣をさせてもらうということにしていて、今年は四日のお参り。
福男神事
初詣もさることながら、この神社をいちやく有名にしているのは、「十日戎」の行事に参道を突っ走る「福男」ですね。関西の地方ニュースだったのが、最近では全国的な話題として取り上げられています。
走る距離は門から本殿までの約230メートルですが、映像で見ると長い距離のように思えます。しかし実際に見るとかなり短いのです。急角度の曲がり角が一か所あり、こちらがネックになるみたいです。
こちらは平日の昼間撮った写真。この参道を突っ走ります。石畳みなので滑りやすいと思います。何人か毎年スッころんでますね。
福男が正式に神事とされたのは、意外に新しく昭和に入ってからのようです。しかし始まったのがいつからとなると、よくわからないのだとか。というのも、この行事は神社が決めたわけでもなく、西宮市が決めたわけでもなく、自然に発生したものだというから面白い。
十日戎は宵宮、本宮、のこり福をいただく残り戎の三日間ですが、西宮戎では、宵宮と本宮の間深夜に神事が行われるため、いったん門を全部閉め参拝客が入れない状態になります。
で、新たに開門されるのが本宮の日の朝六時。そこで、いっこくも早く本宮にお参りしたいという人が門の前で待ち始めたのですね。開門と同時に一番福を求めて誰かが走りだした。それをいつしか競うようになったというのが始まりではないかということで、だいたい江戸時代にはちょんまげ男たちがすでに走っていたということになります。
初詣が終わっても、十日戎や阪神タイガースの必勝祈願見物やら、まだまだ落ち着かない西宮の年明けです。